前回テーマにした「光と影」。
「質感を大事にすること」「ストーリーを持たせること」
という2つの課題をもって撮影しました。
質感を強調するには、いろいろ試してみた結果モノクロが一番でした。
ただ単純な白と黒のモノクロだと雰囲気や微妙なニュアンスが伝わりにくいと感じ、若干色をのせてあります。
ストーリーを持たせること、これについてはまだまだ表現上足りないなぁと感じています。自分の思っている事を伝えるのはすごく難しい。それが写真ならなおさらです。
今回のテーマに関して、撮影するにあたり今までとは違う発想でとりかかりました。今までは頭の中にあるテーマから連想するイメージを写真にして、それを寄せ集めて一つのくくりとしていました。
でも今回はまず、テーマからストーリーをつくり、頭の中で映像にしました。
それは架空の映画のようなもので、私の頭の中にはしっかりとあるものです。
ただ複雑なものではなく、ひとつのメッセージを持ったごくシンプルなものです。メッセージというものはシンプルであればあるほど強く伝わると考えています。その映画のワンシーン、ワンシーンをストーリーに沿って写真にしていったんです。頭の中にあるそのシーンに合う場所を探して撮影する。それをストーリーに合わせて順に見せていく。
ただ実際に写真を並べ完成としたときに、どうにもおもしろくないなと感じたんです。その原因がなんなのか最初は分からなかったんですが、どうやらその原因は構図にあるんじゃないかと思い始めました。
今回、頭の中にある映像を写真にした。それはすごく整然としたもの。きちっと構図を考え枠にはめていくイメージ。そんな写真は一見綺麗なんですが、綺麗で整っている分飽きるのも早い。結果おもしろくないなと感じてしまうんじゃないか。
写真の面白さっていうものを考えたときに、要素の一つとして偶然性があるんじゃないかと思うんです。自分の思ってもいなかった物が写っている、それを発見したときの驚き。
見れば見るほど新たな発見があるような、奥の深い写真が撮りたい。
そんなこんなで、また新たに足りないものを発見できた。
次のテーマは何にしよう。そろそろ決めないとな。
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