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長野県伊那谷発信の写真ブログ
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デジタル写真の「味」とは -解像感について-

20101004.jpg

久しぶりに写真の話。

フィルム中心だった時代から徐々にデジタル中心に変わりつつある中、デジタル写真はフィルムと比べて薄っぺらいとか味がないなんて話を良く聞きます。
たしかに私も漠然としたイメージでそういう印象を持ってしまっていますが、本当にそうなんでしょうか。たしかにフィルムの良さはすごくよく分かります。ただ、それと同じようにデジタルの良さもあるはず。

そんなこんなで私の備忘録も兼ねて、少し書いてみたいと思います。


諧調感に関して。
実際の私の感想としては、解像感に関してはもちろんカメラ本体の性能やレンズによってかなり変わってくるので難しい所ではありますが、白飛び、黒潰れに関して言えば、圧倒的にデジタルが勝っているように思います。特にデジタルのRAWデータに関してはかなり幅広いダイナミックレンジを持っている。

色々調べてみたら、デジタルとフィルムの画像の作り方は根本的に異なり、それが諧調再現性の違いを生み出しているようです。
その原因ともいえるのが、デジタルがハイライト寄りを基準に適正露出を設定し、フィルムがシャドー寄りを基準として適正露出を設定しているということ。
適正露出に対してデジタルはシャドー部におおきなゆとりをもち、カラーネガはハイライト側にゆとりがある。
これはデジタルではハイライト側の限界を考慮して露出基準を決めるのに対し、カラーネガフィルムではシャドー部の限界を基準に露出を決めているということ。

「ダイナミックレンジ」とは、特性曲線上で「画像が再現できる全範囲」とするのが一般的ですが、デジタルのRAWのダイナミックレンジは12絞り分にも達するようです。一方カラーネガはISO100で7絞り、ISO800で8から9絞り程度。現行のデジタル一眼レフより狭いことになります。

という訳で、実際に解像感はデジタルの方が勝っているようです。
フィルムではシャドー部が完全に潰れてしまうような状況でも、デジタルならそのディテールを保持出来るわけです。表現上の幅が増えるという意味でも今のデジタルの技術の進歩はうれしいこと。デジタルだからこそ表現出来る「味」なのではないでしょうか。


参考:アサヒカメラ 2009年5月号
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